口唇裂・口蓋裂 原因
口唇裂・口蓋裂の赤ちゃんが生まれてくる原因については、多くの研究者により研究
されていますが、明らかな原因は現在のところまだわかっていません。
一般的に、生まれつきの異常はすべて遺伝が原因していると考えがちですが、決して
単純に遺伝的要因だけに左右されるものではありません。確かに遺伝的要因の関与が高
いことも否定されてはいませんが、母親の胎内で順調に発育していく過程を妨げようと
する周囲の要因、つまり、これら環境的な要因と遺伝的要因が相互に作用して、妊娠初
期の口唇や口蓋が形作られる時期にトラブルを引き起こすのではないかと考えられてい
ます。
したがって、これまで口唇裂や口蓋裂の方がいらっしゃらない家系でも、この病気が
発現することはよくあります。このような環境的要因には、両親の年齢、母体の病気や
栄養状態、エックス線、薬剤やアルコール、タバコなどの嗜好品などもあげられていま
す。
また、口蓋裂・口唇裂の赤ちゃんには、からだの他の部分に合併した病気が見つかる
ことも比較的によくあります。心臓の異常、耳や手足の形の異常などがあげられます
が、細部にわたる全身的な検査を受けておくことが大切です。
以上のように、口唇裂・口蓋裂は先天的な顔面、特に口腔領域の形の異常と言えます
が、この鼻や口の部分は、栄養の摂取、呼吸、言葉の発音などの、人が生活するうえで
非常に重要な働きを担っている器官でもあります。
したがって、害は顔面の審美のうえだけの問題だけでなく、これらの重要な機能に早
期より影響を及ぼすことが多く、生まれた直後より医療面のサポートが必要となります。