こんにちはアシスタントのkanaです。
前回の続きをお話しいたします!
✳︎離乳開始のサイン(哺乳反射とその消失)
出生後すぐに赤ちゃんがおっぱいを吸えるのは、哺乳にかかわる原始反射による
ものです。この反射は、哺乳にとってはとても都合の良い反射ですが、植物を咀嚼
して嚥下する随意運動(自分の意思で動く動き)の発達を妨げますので、この反射
がなくなる頃が離乳開始の最適期となります。
哺乳反射には、探索反射(乳探し反射:口角や口唇周囲を触刺激すると刺激され
た方に顔を向け、刺激したものを口の中に取り込もうとする反射)、吸せつ反射
(口の中に取り込んだものを舌で包み、しごくように動く反射)、咬反射(奥の歯
ぐきに触れると口を閉じて噛み込む反射)などがあります。反射は4、5ヶ月頃から
消え始め、6、7ヶ月頃にかけて刺激を加えても反射の動きが表出されなくなってき
ます。哺乳反射は、乳汁摂取にとっては感覚器や運動が未熟な時期に栄養を取り込
むのに最適な反射運動なのですが乳汁摂取以外の摂食の動きにとっては、この反射
が表出されなくなることで、自分の意思で動く随意運動の発達がなされ始めます。
この頃が随意運動である摂食の動きを開始する適当な時期(離乳開始)と考えて、
指導に用いられています。
✳︎哺乳と歯・口の成長
哺乳に関係した原始反射が消える頃に、下顎の前歯が生え始めます。このような
歯の成長ですが、乳汁で栄養の全てを摂っている期間も、離乳開始に向けてその成
長は著しいものがあります。
大きな成長が見られるのは、下顎の前方部の歯槽堤です。歯が生えていないこの
時期(出生後から4、5ヶ月に向けて)に前にせり出すように大きくなり、その成長
によって舌先が口の中に容易に入ることができるようになります。上の前歯に相当
する歯槽堤も少し遅れて前方へ成長が見られますが、この口の前方部の成長によっ
て口をしっかり閉じて飲み込む動きが学習でき、口の中に取り込んだ食物を成人同
様な嚥下の動きで食べることができるようになります。このように口の機能の発達
と口の形の成長は密に関連しながら、赤ちゃんは発達していきます。