こんにちはアシスタントのkanaです。
5月12日㈯に行われました 首都圏滅菌研究会へ参加させていただきました。
会場:東京医科歯科大学 M&Dタワー 鈴木章夫記念講堂
今回のテーマは「正しく賢く再生処理しよう!」単回使用医療機器に関することや、再生処理に悩む器材へ対応方法、歯科における感染対策など、日々の業務に直結した講演がありました。
また参加自由型企画は、今までの内容を発展させ、会場の皆様と先生方でのディスカッションも大変勉強になりました。
前回に引き続き、当院歯科衛生士戸田奈緒美先生の講演もあり、今回も登壇された姿は凛としていてとても素敵でした。
首都圏滅菌管理研究会についての報告
感染防止対策の上で重要な役割について
手指衛生(手洗いや手指消毒)を行うことは、病院感染を防止する上でも、最も
重要である。医療従事者の手指は病原性微生物の伝播媒体となるため、正しい手洗
いをマスターし、目的にあったレベルの手洗いが常にできるようにしておかなけれ
ばならない。
✳︎手指衛生とは
1.手洗い
2.手指消毒
上記の2種類があります。
1.手洗いの種類
日常的手洗い
配膳、トイレなど日常的行為の前後の手洗い
衛生的手洗い
注射、ガーゼ交換など医療行為の前後の手洗い
手術時手洗い
手術に際しての手洗い
2.手指衛生
手に付着している病原菌を大量に減少させる。患者や医療従事者への微生物を感
染させるリスクを低下させるための唯一かつ最も重要な方法である。
洗浄・滅菌は感染制御分野の一部であり、患者の安全・医療従事者の安全・医療
現場における安全、これらを全て行えてこそ安全で安心な医療の提供ができる。
「安全な環境」作りが大切である。
✳︎洗浄・滅菌について
洗浄の目的は、1)目に見える汚れを取り除くこと。2)目に見えない汚れを
取り除くこと。3)できるだけ微生物を取り除く。の3点である。
滅菌とは、全ての微生物を死滅させることであり、滅菌法とは、理論的に微生物を
無限に0(ゼロ)に近づける方法である。
「滅菌するから汚れが残っていてもいいのでは」という安易な考え方で、消毒や滅
菌さえすれば、器械は安全に使えると理解されている人もいるが、異物が存在し
たまま滅菌すると、それぞれ、微生物の死骸や発熱性物質が残存する。 また、有
機物が残っている場合の高レベル消毒では、有機物が器械に固着したり、中レ
ベル、低レベル消毒では、消毒効果が減弱したりすることがある。
言い換えると、未洗浄の器具の滅菌は本来の滅菌では有り得ないのである。
✳︎患者治療用器具の滅菌と消毒
上記による、歯科外来診療における感染防止対策について
*汚染されたクリティカルおよびセミクリティカルな診療器具の輸送と処理
汚染された器具・器材に付着している微生物との接触から曝露される可能性が
あるため、汚染された器具類は注意深く扱わなければならない。
*器具の処理エリア
滅菌の質を管理し、安全を確保するために、指定の場所で全ての器具を処理す
ること。理想的には一連の流れをコントロールし、処置中に生じてくる汚染物質
を封じ込めるため、壁や仕切りで各区域を分割する。
*器具の受け取り・洗浄・汚染除去
*前準備と包装(器具にあった包装を行う)
*滅菌
熱に強い歯科用器具類は、通常以下によって滅菌される。
1)高圧蒸気滅菌機
2)乾熱滅菌
3)不飽和化学蒸気滅菌
滅菌時間、温度、および使用機器の製造業者が勧めるその他の操作条件、並び
に容器、包装、および科学的インジケーターの正しい使用法に関する指示に従う
こと
*滅菌された器具と清潔な歯科用品の保管
理想とは、どこの世界においても最高の状態であります。基本的な考えが強く求め
られる環境下で各現場にあった感染防止策を常に模索し、安全な医療を提供できるよ
う努めてまいりたいと思います。
また、イリタニオフィススタッフの一員として、ご来院くださるすべての患者様が
安全な治療を受けられるよう少しでも多くの感染管理・滅菌技術を身に着けてまいり
たいと思います。