こんにちは アシスタントのkanaです⭐️
本日は、妊娠中のホルモン変化がもたらすことについてお話しさせていただきます。
🔹妊娠中のホルモン変化がもたらすこと
受精後、妊娠が始まるとともに、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステ
ロンの分泌が増大します。
妊娠中のホルモンの増加は、妊娠から分娩までの過程の中でとても大切な役割を
持っていますが、歯肉(歯ぐき)や口腔粘膜(口の中の粘膜)には好ましくない変
化をもたらすことがあるようです。
女性ホルモンの影響としては、歯肉や口腔粘膜の血管を拡張し、透過性の亢進、
つまり赤血球などの血液成分が組織に流れやすくなり、炎症性の変化を起こすこと
があげられます。この結果、口腔粘膜や、歯肉上皮の種々の細胞がバランスを失っ
た増殖を行い、良性の腫瘤(腫れもの)を作ったりします。
歯肉炎や歯周炎には原因となる特定の種類の細菌が存在しますが、女性ホルモン
はそれらの原因菌の中にある種の細菌の生長を促進することがわかっています。
また、女性ホルモンの変化による影響がどうかまだあきらかではありませんが、妊
娠中の感染に対する大きな防御機能である細胞性免疫が抑制されると言われてい
ます。これは、口腔粘膜や歯肉に起こる感染に対する抵抗力の低下を意味してい
ます。
🔹妊娠の影響で口の中に起こる病気
妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加し、さ
まざまな影響を口腔粘膜や歯肉に与えることがわかっています。
▼歯肉炎・歯周炎
もともと炎症を起こしやすい状態にありますから、通常では起こらないような
低いレベルの刺激でも、妊娠中は安易に炎症を起こします。その中でも、もっと
も頻度が高いのは妊娠性歯肉炎ですが、それまでにあった歯肉炎や歯周炎も重症
化しやすく、歯周炎をもっていた妊婦はそうでない妊婦と比較して早産・低体重
児の出産の発現率が7倍以上であったという報告もあります。
▼エプーリス
次に、妊娠中に起こる歯肉の病気としては、妊娠性エプーリスというのが有名
です。エプーリスというのは歯肉にできた限局性の良性腫瘍の名称で、妊娠性エ
プーリスの場合は。女性ホルモンの影響によって引き起こされる炎症症状の結果
と考えられます。妊娠した女性の約1%くらいの人に起こるといわれています
が、分娩後は女性ホルモンの分泌の正常化とともに次第に消失します。
▼口内炎
また、妊娠中にもさまざまの口内炎(カタル性口内炎・口角ビラン・アフタ性
口内炎)を引き起こすことがあります。しかし、歯肉の炎症や口内炎は妊産婦で
なくても発症する病気であり、妊娠によって炎症が起こりやすくなっているとい
うことです。
これらの病気の直接的原因は、あくまでもつわり(悪阻)や嗜好性の変化など
による口腔の清潔不良や栄養のかたよりにあると考えるべきでしょう。基本的に
は口腔内を常にきれいにしておくことです。
▼歯根膜炎、健全歯歯痛
また、女性ホルモンの影響によって歯を支える歯周組織の再生や回復力が低下
するなどの原因で、歯の動揺が起きたり、歯髄内の血行状態の変化によってまっ
たく健康な歯に痛みを起こしたりすることもあります。この症状も出生後なくな
りますから問題ありません。