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口腔ケア中の出血について(菌血症・敗血症)☆顕微鏡診療専門歯科衛生士Kim

2012年も残すところあと2ヶ月!月日が流れるのは早いですね♪

こんにちは。顕微鏡歯科衛生士☆衛生士8年目のkimです(*・ェ・*)ノ~☆

 

歯科医療従事者には治療中の出血についての正しい知識が必要不可欠です。

出血に伴うリスクをきちんと把握すれば安心安全な治療を行うことができます。

口腔ケアに於ける歯周デブライトメント処置ではスケーラーや探針・プローブなどの鋭利な器具を用いて細菌性バイオフィルムや歯石沈着物を除去する際に出血を伴うことがあります。特に歯科衛生士の顕微鏡歯科歯科診療においては主に歯肉溝内を取り扱うので組織を傷つけず出血をいかにさせないかが処置をするポイントとなります。

 出血は歯周組織の炎症により歯肉粘膜が脆弱な状態になり治療器具などによる擦過や物理的な刺激などでより生じ易くなると考えらます。

The Immune System

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炎症inflammation

 炎症とは感染や外傷によって組織が障害されたとき、細菌などの有害因子を排除し、組織を修復するために起きる治癒過程をいいます。

局所の血流が増加、血漿および白血球が血管外に移動、血漿成分と食細胞が協力して有害因子を除去し、組織が再生されます。

血管透過性の亢進は炎症初期に起こる反応です。肥満細胞fat call(マスト細胞mast cell)が、補体complementやIgE抗体antibodyで刺激されると脱顆粒を起こし、ヒスタミンhistamineやセロトニンserotoninを放出します。これらのアミン類が、毛細血管capillaryの内皮細胞endothelial cellを収縮させ、細胞間膜を広げることにより、血管透過性を亢進させます。血管透過性を亢進することで通常は内皮を透過できないような大きな分子も血管外に漏出します。血管透過性亢進に伴って、補体、抗体、凝固因子、キニンなどのタンパク質を含む血漿が組織へ漏出します。

血漿キニンkininは通常キニナーゼkininaseによって速やかに分解され失活しますが、炎症組織では代謝亢進に伴いpHが低下しているためキニナーゼ活性が阻害されて、局所に活性キニンが集積します。なかでもブラジキニンは強力な血管透過性亢進作用を持ちます。凝固因子とともに漏出したフィブリノゲンfibrinogenは、組織間隙でフィブリンとなって固まります。このことは、炎症巣を正常組織から隔離し、病巣の拡大を防ぐ意味があります。

ブラジキニンbradykinin、PGE2 propstaglandinが細静脈を拡張させ、局所の血流を増加させると、血流によってより多くの酸素と栄養が運ばれ、組織の代謝が亢進することで、再生修復を促進します。

炎症が始まって数分以内に、組織内のマクロファージmacrophageが到着し、貪食phagocytosisを開始するとともに、TNF-α、IL-1 / Interleukin、IL-6を産生します。これらのサイトカインcytokineが①接着分子の発現②好中球の動員③急性期蛋白質の誘導④発熱を引き起こします。

こうして、サイトカインの働きで炎症巣に動員された食細胞(好中球 neutrophil、単球monocyte)の活躍によって炎症は終焉を迎えます。

 

炎症の5徴候

この経過中、主として血流量の増加や血漿の漏出のために組織に現れる5つの変化(発赤redness、腫脹swelling、熱感heat、疼痛pain、機能障害loss of function)を「炎症の5徴候」といいます。

・毛細血管が拡張し、酸素をたくさん含んだ動脈血が増加するので発赤し、(暖かい血流が流れ込むため)発熱を覚えます。 

・血漿の漏出により組織間液が増加することで、組織が腫脹します。

・組織圧の上昇により、あるいはブラジキニンが痛覚受容体を刺激することで疼痛を覚えます。また、白血球はタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を放出し、これも疼痛や、場合によっては機能障害をもたらすことがあります。

 

菌血症 bacteremiaと敗血症 sepsis】

血液培養で菌が検出される場合を菌血症 bacteremiaとよびます。そして、これが全身に及ぶ臨床症状を呈し、放置すれば死んでしまう状態に至ったものが敗血症です。その全身に及ぶ臨床症状は、起因菌がどれでも大差なく、発熱、発汗、頻脈、呼吸促迫、乏尿、消化器症状、意識レベルの低下など多岐にわたります。

敗血症で生体に直接ダメージを与えているのは、起因菌ではなく、白血球などが分泌するサイトカインであることが近年わかりました。つまり、臨床症状という観点からは、病原体が血中にうようよしているかどうかではなく、高サイトカイン血症が問題だということです。

 

SIRS(systemic inflammatory response syndrome)

そして、1992年にACCPSCCMでSIRS(systemic inflammatory response syndrome)という概念が提唱され、4つの診断基準のうち2項目を満たすものをSIRSとし、高サイトカイン血症は病原体によって惹起されたSIRSに相当するものとしました。

SIRSの診断基準

・体温が36℃以下または38℃以上

・脈拍数が90以上

・呼吸数が20回/分以上

・白血球数が12,000以上または4,000以下

SIRSが重要なのは、高サイトカイン血症による組織障害が全身性に生じるために、いくつもの臓器が次から次へ障害され、最終的に多臓器不全(MOF: multiple organ failure)に陥ることです。逆に、SIRSは多臓器不全の準備段階と捉え、できるだけ早く対処することが必要となります。

統計上この敗血症を引き起こす病原微生物ではグラム陰性桿菌が比較的よくみられます。そして、グラム陰性菌による敗血症では、しばしば血中にばらまかれたエンドトキシンが原因となってショック(急激な血液低下)を引き起こします。これをエンドトキシン・ショック endotoxin shockと呼びます。エンドトキシンとは内毒素の英訳で、グラム陰性菌の細胞壁を構成しているリポ多糖類のことです。大腸菌、バイテロイデス、プロテウスなどの腸内菌や緑膿菌などと並んで歯周病菌もこのグラム陰性桿菌です。

したがって、このような生命の危険のある敗血症を引き起こすグラム陰性菌が生息する歯肉構内の処置には細心の注意を払い、不用意な出血は避けなければなりません。

 

顕微鏡歯科診療では繊細な処置が可能なのでそのリスクは軽減されるのではないかと考えます。

以上のことをふまえて、これからも患者様の口腔内を診させていただく時は常に正確かつ丁寧に行ってまいりたいと思います。

 

 

 

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